リウマチ
リウマチ(リウマチ性疾患)は、骨、関節、筋、靭帯、腱などの運動器に痛みや腫れといった症状がある疾患を総称した呼び名になります。そのため一口にリウマチと言っても疾患はいろいろありますが、そのなかでも多くの患者様が罹患しているとされる関節リウマチを中心とした診療を行っています。
関節リウマチについて
関節リウマチは膠原病の一種でもあり、原因不明の免疫異常(自己免疫疾患)によって、体の至るところにある関節に腫れや炎症がみられる病気です。その中でも手足に発症しやすく、症状は左右対称にみられるようになります。手足以外では、肘・膝・肩などで起きるようになります。なお発症する箇所は1カ所ではなく、3つ以上の関節で起きるようになります。
なお同疾患では、朝方に関節が曲げにくい症状がみられるようになります。さらに関節での腫れが続くなど症状が進行していくと骨が変形し、日常生活にも影響が及ぶ関節破壊を発症することもあります。これまで関節破壊は関節リウマチの発症から数年ほど経過して起きると考えられてきましたが、最近になって痛みや腫れがそれほどでもない初期の時期(1年以内)から関節の破壊が進行していることが判明しました。そのため、関節機能を維持させるという意味においても早期発見、早期治療がより重要視されるようになりました。このほか関節以外の症状としては、疲労感、微熱、体重減少などがみられることもあります。その他の特徴として、関節リウマチの患者様の男女比は1:3~4で、30~50歳代の女性に発症しやすいと言われています。そのため女性はとくに注意が必要です。
上記のような症状や訴えがある患者様につきましては、詳細な検査として、血液検査や画像検査(レントゲン撮影、関節超音波検査など)によって診断をつけるようにします。
治療について
検査の結果、関節リウマチと診断されると治療の開始となります。その内容は主に薬物療法です。よく用いられるのはメトトレキサート(免疫抑制薬)ですが、そのほか疾患修飾性抗リウマチ薬、生物学的製剤、分子標的型抗リウマチ薬、ステロイド、非ステロイド性抗炎症薬なども使用されます。
ただ薬物療法のみに頼りっきりで関節を動かさないでいると硬くこわばってしまうので、併行して関節可動域訓練などのリハビリテーション(リハビリ)も行い、機能障害を抑えるようにします。
また、薬物療法やリハビリだけでは改善が困難、または日常生活に支障が生じているのであれば、手術療法(骨膜切除術、人工関節置換術、関節固定術)が検討されます。